「現代数学入門」現代数学の勉強法

現代数学の勉強法 一

学生時代、サイン、コサインなどの三角関数がよく解らないという人でも、現代数学の考え方の中には、三角関数は出てきませんので、三角関数なんて忘れても構わないのです。
学校で勉強した数学というは、近代の数学までで現代数学は、それとはあまり関係がないのです。

近代までの数学を全部やらないと現代の数学が解からないということはないのです。
いきなり、現代の数学に取り掛かっても何も問題ではありません。
それは、現代の数学が数学以外の分野でも有効であるからです。

構造という考え方が、心理学、言語学、文化人類学などにとてもよく応用されていて、数学以外の分野の人は、それは位数学とは関係ないというかもしれませんが、数学から見れば、それらは数学の構造と同じ考え方なのです。
現代の数学は、大変、応用範囲が広いのです。

つまり、数学は、近代までは数の問題を行なっていましたが、現代の数学になりますと、「数の学」とは必ずしも言えなくなるのです。
もちろん、数も研究しますが、もっと広範囲のものを扱っています。
だから、数学というのは、構造の科学と言っていいのです。
これまでは、数が出て来なければ、数学とは言えませんでしたが、現代の数学は構造の科学なので、数の研究ばかりしてはいないのです。

構造が出てくれば、数学が始まったと言っていいくらいなのです。
そういった意味では、現代になって数学は大きな変貌を遂げました。

現代数学の勉強法 二

構造という考え方が古代に無かったかというとそんなことはなく、見方によれば、初めから構造があったと言えなくはありません。
それは、2+3=5であるという事は、ミカンを二つと三つを足してもミカンが五つになる事や、リンゴを二つと三つ足しても林檎が五つになります。
これは、いくらでも例があります。
実は、2+3=5というのは、計算の構造同型なのだということなのです。

その同型なものを代表しているのが2+3=5なのだと考えますと、構造という考え方が既に存在していたと看做してもいいのです。
同型という考えは既にありました。
それ故に大昔から数学は構造の学問であったと言えないことはないのです。
唯、構造というものが鮮明ではなかったのです。

「変貌」というのは、そういう意味で、顔つきは変わったけれども、中身は案外変わっていないのかもしれません。
これからも数学はいろいろと「変貌」するかもしれません。
将来はまだ大事でない概念がはっきりと見えていないのかもしれません。
しかし、2+3=6などと変わるわけでは決してありません。

数学を古代から現代膜で概観してきましたが、現代数学では、学校で習った数学とはその姿を変えて、近代までの数学の知識がなくてもとっつくことが可能なのです。

そして、数学というのは、非常に簡単な学問なのです。
勘所を押さえれば、非常に簡単な学問であると考え、もう一度、数学を勉強しようと思っていただければ、幸いです。

はじめに

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現代数学への誘い