「現代数学入門」変化するものと運動するもの

変化するものと運動するもの

解析幾何学の誕生によって座標を使えるようになったのですが、この座標というものは、運動するもの、変化するものを非常にうまく捉える事ができるのです。

例えば、いろいろなものが変化するということは、グラフによって非常にうまく捉える事ができます。
ユークリッドの幾何学では、この動的なものを捉える事ができませんでした。
つまり、デカルトの解析幾何学が登場する以前は、運動と変化を科学的にうまく捉える事ができなかったのです。
そのために、物理学でも数学でも動いているものは巧く扱えず、静止しているものばかりを扱っていました。

しかし、デカルトの登場によってそれまでの「静」力学から「動」力学にまでもが射程に収める事が可能になったのです。
これが近代数学の始まりです。
つまり、近代数学とは、中世の数学が静的なもののみ捉える事ができましたが、動的なものの法則までも捉える事になったということです。
これは数学ばかりでなく、科学史上でも大きな転換点といえるものです。
そして、デカルトがもたらした解析幾何学は非常に画期的なものだったのです。
そして、デカルトの解析幾何学の登場により、ニュートン力学がつくり出される大きな支柱となったのでした。

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