「現代数学入門」位相的構造

位相的構造 一

位相的構造は、集合がもとになったものです。
何かのものの集まりで、お互いに何らかの相互関係があるものの事です。
その相互関係は何かといいますと、お互いに遠い近いの関係があるということです。
2つのものが遠い近いの規定がしてあるのです。
この位相的構造の解かり易い礼を挙げますと、私たちが住んでいる空間です。

空間が点の集まりと考えますと、天とテントの間の距離がきちんと決まっています。
つまり、ある点とある点は遠いということが判断できます。
私たち血が住んでいる空間は、位相的構造の一番の例です。
この空間の規定を私たちは知っていますので、敏速にさまざまな行動が出来るのです。

方向音痴と羽位相構造が頭に入っておらず、道に迷ってしまうのではないでしょうか。
反対に、人に道を教えるのが上手な人は、空間の位相構造が背整理されて頭に入っています。

例えば、東京に住んでいる人は大体自分が住んでいる位相構造は頭に入っている筈です。
そのために、どの道を行けば何処へ通じるなどとは直ぐにわかりますが、たまに東京に出てくる地方の人は、東京の道が解かりません。
しかし、現在では、カーナビという便利なものがあって、カーナビにこの位相構造が入っています。
だから、カーナビは、たまに道を間違うことがありますが、概して、道に迷わないように指示を出します。

位相的構造 二

私たちが住んでいる空間は、確かに、位相構造の霊の最たるものですが、しかし、必ずしもそうとばかりは言えません。
例えば、A地点からB地点へ移れるのを時間的な距離としますと、東京大阪間は、新幹線に乗れば、時間的な距離は非常に近くなります。
東京の近郊同士では、必ずしも交通の便がいいとは限りませんので、意外と時間的な距離は遠いかもしれません。
一つの県でも随分と交通の便がいい悪いがありますので、時間的距離は、無実際の距離とは違ってきます。

または、A地点からB地点までにかかる交通費が距離として考えられます。
そうすれば、位相構造はまた違ったものになります。

或いは、空間とは全く関係なく日本人を考えた時に、血縁化関係を重視すれば、その人が現在住んでいる場所とは全く無関係に、例えば、北海道と沖縄に住んでいる人が親子であったりします。
血縁関係が非常に近くに住んでいる人でも全然関係がない人も当然住んでいる筈で、血縁関係という点で見れば、遠い近いの関係が生じる事になります。
数学では、空間ばかりでなく、広い意味での位相構造を考えています。

人間というのは、位相構造が頭に入っているために、何でも遠い近いの関係で考える癖があります。
遠い近いの関係は、本来が空間的な距離に当てはめられることですが、例えば、血縁関係での遠い近いという事は、つまり、人間は、血縁関係を距離的なものとして翻訳している証拠です。

位相的構造 三

もう一例挙げますと、色彩空間というものがあります。
これは何かといいますと、赤と黄と青を頂点とする三角形で、各頂点の色の混ざり具合でその三角形が色の連続性を持って描けるというものです。
赤と黄の間ですと橙色のような色彩が生じます。
青と赤の間には紫色が出てきます。
青と黄の間には緑色が出てきます。

こういう一つ一つの色を三角形の各点が表しています。
そうなるとしこの色彩の三角形もまた、一つの位相的構造をしています。
つまり、色が似ているか似ていないかという事を距離に翻訳したものなのです。
これか色彩空間と言われるものです。

人間というものは、いろいろな関係を「遠い近い」関係に翻訳して物事を把握する傾向が強いです。
それをまとめたものが位相的構造なのです。
人間は、物事を理解しようとする場合、この距離の遠い近いという関係に翻訳して捉えるのを基本としています。
それは、人間は、五感の中でも視覚に頼る事が多いためで、世界認識は、此の距離の遠い近いという考えの鋳型にはめ込んで理解します。
世界がそのように見えてしまうからです。
距離の遠い近いという事が人間の認識活動には、決定的なものを与えます。

概して、人間は、此の位相的構造を通して世界をはじめ、さまざまな事を認識するのに都合がよく、また、人間の認識するという行為は、この遠い近いという距離的なものに翻訳して把握します。

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