数学が密かなブームということで、遠山啓著「現代数学入門」(ちくま学芸文庫)をもとに現代数学について解説しています。
ここでは、集合Eをその満たす条件によって定義するやり方、つまり、
E={x|xは……である}
というやり方に変えます。
「xは……である」
というのはxを主語とする一つの命題ですが、この命題をP(x)という形で表してみます。
ここで「……である」がP()に当たります。つまりら、これは主語xと述語P()を結んだものといえます。
このように考えた時のP(x)をxを変項とする命題関数と呼ぶことがあります。
そのために、EはP(x)を真とするx全体の集合となるのです。
E={x|P(x)}
つまり、ここで述語P()から集合Eが決定されたことになります。
EをP(x)の真理集合ということがあります。
ここで、集合と論理学が結び付いたことになります。
二つの命題P(x)とQ(x)が同時に真となる、つまり、P(x)かつQ(x)が真の集合が、二つの真理集合と共通集合となります。
「P(x)かつQ(x)」をP(x)∧Q(x)と書きますと、
{x|P(x)}=A
{x|Q(x)}=B
ならば、
{x|P(x)∧Q(x)}=A∩B
同じく、「P(x)またはQ(x)」をP(x)∨Q(x)と表しますと、
{x|P(x)∨Q(x)}=A∪B
となり、また、P(x)の否定を-^P(x)(注:この記号は本来Pの上に棒線がある記号で表します)と表しますと、P(x)の真理集合Aの補集合-^Aになります。
{x|-^P(x)}=-^A
以上のようにして、集合の∩、∪、―^が命題の∧、∨、―^と照応することが解かったと思います。