数学が密かなブームということで、遠山啓著「現代数学入門」(ちくま学芸文庫)をもとに現代数学について解説しています。
体よりも条件の緩やかにものとして環があります。
体と同様に環という名前は、商品の商標のようなもので、品質素の下は無関係なものなのです。
例えば、「ハチぶどう酒」といってもハチとは無関係な筈です。
環に+、-、×だけ定義されていて、÷に関しては何もいっていません。
環はまず、
(1) 加法群です。
加法+で、逆の演算は-で表します。
a+b,a-b
この加法群の単位元を0で表します。
(2) もう一つの演算、つまり乗法が定義されていて、これをabで表します。
この乗法は普通結合法則を満たしています。
(ab)c = a(bc)
しかし、結合法則が成立しない環もあります。
逆元に関しては何も規定されていません。
また、交換法則ab=baも成立するとは限りません。
(3) 加法と乗法の間には、分配法則が成立します。
a(b+c) = ab+ac
(b+c)a = ba+ca