「現代数学入門」ニュートン力学と微分積分

ニュートン力学と微分積分 一

しかし、さすがのガリレオでも地上の物体と天体が同じ法則によるものとまでは、考えが及びませんでした。
そして、ガリレオが成し遂げられなかったものを成し遂げたのがニュートンなのです。
ニュートンの武器となったものが微分積分なのでした。

ニュートンは都市有膳、自分の発見したものをニュートン力学などと呼んではいませんでしたが、ニュートン力学の登場により、地動説が殆ど反論の余地ないまでに完全に証明されたのでした。
ニュートンが太陽系の運動法則を証明するのに使ったのが微分積分なのです。

微分積分は、ニュートン力学を証明する手段として誕生したといっても過言ではありません。
それくらいに、物理学や力学に密接に関係したものなのでした。

微分積分を簡単に言いますと、その方法は先述したデカルトの四つの法則の中の二番目と三番目に当たります。
二番目は、複雑なものを研究するときは、できる限り小さく切り分けると物事が簡単になるというものです。
これは、つまり分析です。

先にはこう書いていたと思います。
「私が検討しようとするもろもろの難問のおのおのをできるだけ、またそれらをよりよく解決するために必要なだけ多数の小部分に分割することである」。
これは、微分のことです。
微分という言葉は、時宜のように細かく分けるということです。

ニュートン力学と微分積分 二

第三の法則は、積分に当たります。
一旦切り分けたものをつなぎ合わせることです。
微分は、分析に当たり、積分は、総合に当たります。
積分という言葉も分けたものを積み重ねるという意味です。

昔は、微分積分は大変難しい学問だとし考えられていたようですが、微分積分程簡単明瞭なものはありません。
微分積分というと、何だかとても難しいものに思われるかもしれませんが、微分積分の考え方は、ごく自然で優しいものです。

昔は、微分積分が解かるという人は大変少なかったようです。
しかし、そんなことはなく、ただ、微分が無限に細かく分けてゆくことが少しだけ難しいに過ぎません。

例えば、ある曲線があるとします。
その曲線をそのまま見れば曲がって見えますが、その曲線を細かく分けて一部分だけ見れば、真っ直ぐな直線に近くなります。
細かく分ければ分けるほどに曲線は直線に近くなります。
曲線は扱うのに大変難しいですが、直線だと解かり易いです。

この細かく切り分ければ分けるほどに曲線が直線に近づくという考えが微分なのです。
例えば、曲線を一部分だけ虫眼鏡で見ると直線に近くなります。
更にその曲線を顕微鏡で穂見れば、さらに直線に近づきます。電子顕微鏡で曲線を見れば、もっと直線に近づきます。
つまり、大変倍率を高くしてゆきますと、曲線は直線に近づくことになります。

以上のような考え方が微分です。
直線ですと物事が簡単に扱えます。
唯、顕微鏡は倍率を高くしてゆきますと、一部分はよく見えますが、全体がどうなっているのか見渡せなくなります。
これを補うために、今度は、一部分見えていたものをつなぎ合わせてみないと、全体が見渡せません。
このつなぎ合わせるのが積分と考えてください。

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