「現代数学入門」統計的法則

統計的法則

確率というものは、正確ではありません。
例えば、サイコロを振れば、必ず1の目が出ることはありません。

しかし、人間は、未来を予測したい欲求がある生き物で、サイコロの1が出る確率は知りたい筈です。
余りにその欲求が強いと、八百長が行われます。
確実ではないものを確実なものにするのですから、八百長をするしかありません。
八百長では確率論は必要ありません。
不確実なものの未来を予測する欲求があるからこそ、確率論が生まれたわけです。

そういう法則性のようなものが確率論から解かります。
例えば、一人ひとりサイコロを振っても1が出るとは限りませんが、大勢の人が一斉にサイコロを振った場合、1が出る傾向が解かってきます。
この全体の傾向のようなものを統計的法則と呼んでもいい筈です。

統計的法則は、正確ではなく、半分正確といえるようなものです。
社会現象というものは、そのような集団の傾向を持ったものとして現れているはずです。
つまり、大勢の人間がどんな風に動くかという事を、一人一人を観察していたのでは切がありません。
全体としてどう動くか、おおざっぱに把握する事で、何か法則性がないかどうかを見出す必要に迫られて、統計的法則が生まれたのです。

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