数学が密かなブームということで、遠山啓著「現代数学入門」(ちくま学芸文庫)をもとに現代数学について解説しています。
20世紀になってからの現代の数学というものは、その考え方は小学生の考え方に近づいているとも看做せます。
世界では、現代の数学を小学校のうちから教えるべきとの声が上がったりしています。
最先端の数学が一番優しいと思われる小学生の算数の考え方に似てくるというのは、面白いものです。
一例を挙げれは、現代の数学の様々な考え方、例えば集合は、小学校でも教えている筈です。
集合という考え方が現代数学なのです。
ある意味現代の数学は、古代の数学の考え方に近いものがあり、しかし、古代の数学には数学の鬼門とさえいえる定理というものが存在して、その定理を使って証明するというものが出てきません。
古代の数学の考え方は、経験に即したものばかりなのです。
古代の数学の本は現存しているのは少ないですが、そのわずかに残っている本を見てみますと、それらの中には、一般的な法則というものはまったく出てきません。
また、それ故に、証明というものもありません。
古代の数学の本には、ただ、いろいろな問題が集められていて、その解き方が書いてあるという内容のものが殆どです。
そして、現代の数学が、長い数学の歴史を巡り巡ってそれらの古代の数学の考え方に似てきているのです。
何千年という長い年月をかけて発展してきた数学ですが、現代に至って、小学生の算数に近づいているのです。
それでは、以降、古代、中世、近代、現代と大まかに四つに区分けした数学を時代を追って概観してみたいと思います。
まずは、古代の数学を見てみたいと思います。