数学が密かなブームということで、遠山啓著「現代数学入門」(ちくま学芸文庫)をもとに現代数学について解説しています。
nが有限でなく限りなく大きくなっていったとき、無限次元の距離空間が得られます。
点aは、
(x1,x2,……,xn,……)
bは、
(x1',x2',……,xn',……)
という無限個の座標で定められるとしてそのような2点の間の距離を
d(a,b)={(x1-x1')^p+(x2-x2')^p+……+(xn-xn')^p+……}(1/p)
によって定義されるとすると、このようなd(a,b)はやはり、条件(1)、(2)、(3)を満たします。
これは、nが無限に大きくなったところが違いますが、ここに出て来る無限級数は収束しないと全く意味がありません。
nが有限のときは収束の問題は起きていません。
pは1に等しいか、より大きいな実数であるが、p=1のときは、
d((a,b)=(x1-x1')+(x2-x2')+……+(xn-xn')+…… ()は絶対値
となって、式は簡単になって取り扱いやすくなります。
逆に、pが限りなく大きくなるとd(a,b)は、
(x1-x1'),(x2-x2'),……,(xn-xn'),…… ()は絶対値
の上限に近付きます。
d(a,b)=sup([xn-xn']) []は絶対値 n
これはp=∞に相当します。
このように、1から∞までのpに対して、ミンコフスキーの空間ができますが、その中でも、もっともよく出てくるのがp=2の場合です。
ここでは、ピタゴラスの定理が成り立っていますし、p=2であることから計算のルールレールに乗せやすいのです。