「現代数学入門」はじめに その1

はじめに その1

最近、大人になってから数学のドリルを解いていたりするなど、数学が密かなブームになっています。
誰しもが、数学の問題を苦労して解けた時の爽快感、達成感を味わったことがあると思います。

ある人はオイラーの公式「e^iπ=-1」(ここでは、乗数を^で書きます。)に魅せられて、その公式を初歩から解きつつ、ひとつづつ階段を上るように理解を深めていくことに楽しみを見つけたり、書店では、ガロアの群と代数方程式の関係を解いたガロア理論の本が売れたりと、難解な数学に中高年がはまっているということです。

それでは、なぜ中高年を数学へと駆り立てるのでしょうか。
ある人に言わせると、数学的な思考でこの混迷の度を深める社会を眺めると全く変わって見えるからだ、と言っている人もいます。

たぶん、そうなのかもしれません。

労働環境が激変する現代において、自分の仕事上での成果で所得ががらりと変わる成果主義の導入によって、その成果が自分のあずかり知らないところで決められることに対する漠然とした憤懣がたぶん、働き盛りの中高年を数学に駆り立てるのだと思います。
なぜなら、数学の問題を解くということは、はっきりと自分のなした成果が解るからです。

この自分がなした成果が自分で納得して解かるということが、現代社会では曖昧になってしまって、全てきりの中の状態が私たちを取り巻く環境なの手はないでしょうか。

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