数学が密かなブームということで、遠山啓著「現代数学入門」(ちくま学芸文庫)をもとに現代数学について解説しています。
コペルニクス、ブルーノ、ガリレオと、多くの人々が大変な犠牲を払って導かれた地動説を陥穽に導いたのがニュートン(1643~1727)です。
ニュートンは、ガリレオとドイツの天文学者・数学者のケプラー(1571~1630)の二人の仕事を見事に無統一したのです。
これが所謂、ニュートン力学と呼ばれる古典力学です。
簡単に言いますと、ガリレオが『新科学対話』で展開した地球上の物体の運動法則で、ケプラーは天体の運動法則を導き出しましたが、この二つを同じ原理で統一したのがニュートンなのです。
ガリレオは、手製の望遠鏡で初めて月を見た時に大変に驚いたのです。
アリストテレスは、地上の物質は雑多で汚らしいが、月から上にある天体はまるで異なる上質のものからできている主張していて、誰もこのアリストテレスの主張を疑う人はいませんでした。
ところが月を望遠鏡で見てみると、月にも山あり谷ありで、ガリレオは、月も地上と同じなのかもしれないと考えたのでした。
そして、ガリレオは、宇宙全体ももしかすると同じ物質でできているのではないかと考えたのでした。
このガリレオの発見は、人間の世界認識にとって非常に画期的な事で、アポロが月面に着陸したものよりも、はるかに大きな意義を持っていました。