数学が密かなブームということで、遠山啓著「現代数学入門」(ちくま学芸文庫)をもとに現代数学について解説しています。
ニュートンの法則を微分法則とします。
ニュートンの法則は、無限に小さい時間において現われるような法則、空間的にも無限に小さい空間を見ている事で解かる法則です。
ニュートンの法則というのは力に関する法則で、ニュートンの法則によれば、力と加速度は比例します。
加速度は、速度を無限に小さい時間、つまり、瞬間と、無限に小さな距離を考えれば求められます。
このようなニュートンの法則は微分の法則で、これに対して、ケプラーの法則は、積分法則です。
ニュートンはケプラーの積分則を微分法則に書き換えたものなのです。
そして、ニュートンの法則を積分するとケプラーの法則が求められたのです。
つまり、積分法則をデカルトの第二の法則で切り分けてみたならば、ニュートンの万有引力の法則が導き出されたのです。
そして、ニュートンの万有引力の法則をつなぎ合わせて積分したならば、ケプラーの法則が導かれたということです。
積分法則と微分法則は同じものです。
一方から一方へ変換可能で、ただ、表し方が異なっているだけなのです。
それでは、どちらがやり易いかといえば、断然微分法則の方がやり易いのです。
火星だけならば、ケプラーの第一法則と第二法則で導きられますが、火星以外に木星や土星など、惑星全てに当てはまるという法則を導き出すには、ケプラーの第三の法則が必要になります。
ケプラーという人は、大変苦労した人として知られています。
ケプラーが生きた当時のドイツは、「魔女狩り」がありました。
ケプラーのお母さんが此の魔女狩りにあったのでした。
それを助けるためにケプラーは大変苦労しました。
ケプラーは、とても貧乏をした人です。
そして、ケプラーは一生かけて三つの法則を見つけたのです。
この三つの法則は、科学史においては第一級の発見なのでした。
そして、ニュートンが太陽系の太陽と惑星の間の運動法則を打ち立てました。
これは、余りに完全なものだったのです。
ニュートンの法則があれば、科学の過去から現在を証明してしまうばかりでなく、未来も予想できるようになったのです。
例えば、次の日食は何年後の何月何日何時何分に始まって、何秒間、何分間続くのかもわかるようになりました。
科学が未来を予言できる能力を持っている事が、ニュートンの法則ほど鮮明に描き出したことはなかったのです。
当然、ニュートンの前と後では、科学が完全に変わってしまいました。
これほど未来が予測できる事で、何でも未来が予測できると勘違いした考えが必ず生まれるものです。
しかし、ニュートンの法則が打ち立てられたからといって、未来が予測できる筈はありません。
ニュートンの法則は、太陽系というとても簡単な法則で成り立てっているから予測できたのでした。