数学が密かなブームということで、遠山啓著「現代数学入門」(ちくま学芸文庫)をもとに現代数学について解説しています。
集合は、英語でset、構造はstructureと言います。
その概念は、集合といえば、ものの集まりで、これはセットです。
例えば、パソコンとキーボート、そしてマウスのセットといえば、モニターとキーボードとマウスとパソコン本体のセットという一組を創っています。
これが、簡単に言えば、集合というものです。
ここで、ものならば何でもよく、例えば、無頭の中のものでも構わないのです。
一例を挙げれば、一週間における曜日の集まりは、七です。
日月下水木金、この曜日の集まりも集合です。
これを数学では、
A={日,月,火,水,木,金,土}
というように表記します。
これを「Aという集合」と言います。
集合とは、以上のように範疇が広い概念ですが、一つだけ規定があります。
それは、範囲が厳格に決定していなければならないのです。
例えば、「この部屋にいる人間の集合」といえば、非常に明確ですが、もし、この部屋に入り口があって、絶えず人が出たり入ったりしていると、それは集合とは言えません。
その出たり入ったりしている人は部屋に入っているかどうか判別できないからです。
また、この部屋で背が高い人の集合」といっても、それは集合にはなりません。
何故なら背が高いとはどれくらいから背が高いのか、その身長がはっきりしていないからです。
以上のように19世紀の終わりにこの有限の集合論が登場してきたわけですが、しかし、集合論は、本来、無限個の集まりを研究する学問として登場してきたのです。
集合論といえば、この無限個の集合の事を指します。
この集合論の登場により、現代数学が生まれたのです。