「現代数学入門」関数とは

関数とは 一

ここで近代の数学が生み出した新しい概念、つまり、「関数」について述べます。
関数という言葉は日本語では数学でしか使わない言葉ですが、英語ではfunctionという言葉で、欧米では日常用語なのです。
functionは「機能」という意味です。
「機能」という言葉は日本語でも日常用語です。

しかし、日本の先人は、関数という言葉をあえて作ったので、なんだか難しいもののように思えますが、それほど複雑ではありません。
簡単に言いますと、機能という言葉を初めて使ったのはライプニッツです。

ライプニッツはドイツ人ですが、当時の文化の中心はフランスで、ライプニッツはフランス語で書いています。
フランス語ではfonction(フォンクション)です。
これが日本語でははじめ、函数としていましたが、現在は関数です。

それではなぜ、函の数という言葉を使ったかといいますと、それは中国に由来します。
フォンクションは中国読みですと函数という文字が非常に似通っている事から、函数と訳されたのです。
その上に、意味も似ているのです。
中国語で函という字は「含む」ということを意味するそうで、しかし、これは 日本人にはまったく理解できないものです。
この函数と訳したことで、関数を解かりづらくしたのかもしれません。

しかし、当用漢字の登場で函数の函の字が使えなくなってしまいました。
そこで、関数としたのです。
つまり、関数とは「機能」ということです。

関数とは 二

例えば、駅の切符の自動販売機を考えてください。
切符の自動販売機はお金を入れると切符が出てきます。
例えば、500円の切符を買う場合は、切符の自動販売機に500円投入します。
すると、500円切符が出てきます。

この切符の自動販売機が関数に当たります。
これをfunctionの頭文字をとってfとします。
fという装置に500円を投入しますと、500円切符に変える働きを持っています。
それを具体化したものが切符の自動販売機なのです。

駅で切符の自動販売機を日常であたりの前のように見ますが、関数とは本来、そのようなものなのです。
1000円の切符を買うとき、その働きをgとしますと、1000円を投入して1000円の切符が買えます。
この変換させる機能の事を関数といいます。

関数というものを考えるとき、入ってくるものを入力、英語ではinput(インプット)です。
中へ入れて、そして、出てきます。
この出てくるものを出力、output(アウトプット)といいます。
この入力して出力する装置をfとしますと、y=f(x)と書くことができます。
これが自動販売機みたいな装置の事なのです。
この装置へxが入ってきてfという装置を通ってyが出てきます。
つまり、xが入力、yが出力です。

これまで、関数が解からないという人は、このfが解からなかったのです。
このfとは、切符の自動販売機と見立ててください。
100円投入すれば100円切符が出てくる、その切符の自動販売機が関数fなのです。

はじめに

古代の数学

中世の数学

近代の数学

現代の数学

現代数学への誘い